踏み出せ、道を拓け
FUJIFILM Value from innovation

熱い想いで、消費者の心を魅了する
ブランドイメージを追求しつづける

化粧品アスタリフトシリーズ
ブランドマネージメント部 TVCM制作担当

もともとは写真フィルムメーカーである
富士フイルムの技術から生まれた化粧品
「アスタリフト」。
異業種からの参入でありながらも、
2007年の発売以来、その意外性と効果の高さで注目を集める。
高度なナノテクノロジーをベースに持つユニークな商品の魅力を、メインターゲットである女性にどう届けるか。
そこにはある社員の惜しみない努力があった。

営業の楽しさを知るきっかけは
初ボーナスで買ったミラーレス一眼カメラ

ゆっくりとしたたり落ちる、みずみずしい真紅のしずく。その一粒一粒はさらに細かく広がり、肌に触れたのちに美しい色彩と繊細な動きにより画面を揺らす――「アスタリフト」の最新CMだ。ドラマチックなビジュアルとともに、肌に浸透するイメージがダイレクトに届く。「アスタリフト」のプロモーション全般を担当するブランドマネージメント部において、このCMの制作を担当しているのが彼女だ。
大学での専攻は経済学。富士フイルムへの入社動機の根源にあったのは、「感動によって笑顔を生みだす仕事がしたい」という思いだった。
「そのために重視したのは、新しいものに“挑戦”していく社風、驚きを与えることができる高い“技術力”、さらに世界中の人に届ける“グローバルなビジネスフィールド”。この3つの軸を通して出会ったのが富士フイルムでした」
入社後、彼女が最初に任された仕事は、デジタルカメラを含めたイメージング製品の営業だった。取引先の担当者はベテラン男性が多く、新人の彼女は「タジタジだった」と振り返る。
「世代間のギャップもありましたが、なによりも圧倒的な専門知識を持つ相手に、新製品を売り込むのは本当に大変でした」
そこで、初のボーナスでミラーレスカメラを購入。休みのたびに出かけては撮影を繰り返すうちに、カメラの魅力に気づいた。すると営業先でも会話が弾み、信頼関係が構築されるように。その後、製品の需給管理と販売促進という2つの仕事を経験し、やりがいと手応えを感じていた彼女に、大きな転機が訪れる。化粧品「アスタリフト」の店頭営業を担う部門への異動だ。イメージングから化粧品へ――新たな扉が用意されていた。

後発ブランドならではの悩み
強みは独自の最先端技術

異動後、さっそく壁に突き当たった。イメージングと化粧品分野では、富士フイルムという企業の立ち位置がまったく違ったのだ。
「富士フイルムは、イメージングでは歴史あるリーディングカンパニーでしたが、化粧品では後発なので、完全にチャレンジャーの立場でした。市場にどう切り込んでいくのか、その中で異業種としての商品の強みは何なのか……。そこを真剣に追求しなければ、シェアを取れない状況で、同じBtoC(消費者向け)製品といっても、これほどまでに違うのかと肌で感じました」
それまでに自身で「アスタリフト」を使った経験はあったが、担当になった当初は「なんとなくいい」と感じるレベル。ところが、実際に開発者や研究者、商品開発担当の話を聞いたことをきっかけに、その認識は急激に変わる。最先端技術やそれに裏づけられた商品の魅力、そこに込められた想い。「まだまだ伝えられることはたくさんある」とスイッチが入った。
化粧品はライバルも多く、次々と新しい商品が出てくるフィールドだ。
「私の直接の仕事相手は、化粧品のユーザーではなく小売店でした。お店の担当者の意識を変えなければ、店頭でもいい場所に置いてもらえないし、売ってもらえません。まずは小売店の本社にアスタリフトの技術の素晴らしさを実感してもらい、好きになってもらうこと。それが結果的にお客さまに商品の魅力届ける手段と考えました」
勉強会を開いたり、実際に使ってもらったり。時には商談先に開発者を伴い、技術の仕組みを可視化したデモンストレーションを行うこともあった。印象的な演出は「サイエンス感があって富士フイルムらしい」と、営業先からも一目を置かれるようになった。人間関係を構築するために自分なりの手段を考案・実践し、手応えを感じる日々。新たに出会った商品の魅力に夢中だった。
「現場を知ることによって、もっともっと伝えたいことが出てきました。そしてさらに、今後はお客様にアスタリフトのすばらしさを伝える戦略を立てる仕事をしたいと思う気持ちが出てきました」
アスタリフト アスタリフト
独自のテクノロジーで1mmの100万分の1というナノの世界から美を追究した化粧品シリーズ。富士フイルムは、皮膚の約70%を構成するコラーゲンが実は写真フィルムの主成分であることから、写真フィルムと技術領域が近い化粧品に目を付け、2007年にアスタリフトブランドを立ち上げて本格的に市場に参入した。現在、ラインアップも増え、2019年9月にはジェリー状先行美容液「アスタリフト ジェリー アクアリスタ」がリニューアルした。

消費者心理の動きを探りつつ
商品の魅力を最大限に発信する

2017年12月、希望がかない、ブランドマネージメントの部署へ異動。サプリメントなどの担当を経て、翌年「アスタリフト」のCMやグラフィックの制作を担当することになった。ブランドマネージメント部の仕事は、アスタリフトがさまざまなエイジングの悩みに応える「サイエンスに裏付けられた機能性化粧品」であるというブランドイメージを作り上げること。どのようなポイントを、どう伝えればターゲットの心に刺さるか、内容と届け方の両面から考える部署だ。プロモーションには多様な施策があるが、その一環として、テレビCMやポスターなどのグラフィックが含まれる。彼女が重視しているのは「ターゲットの女性に刺さる表現」だ。
「TVCMはお客さまが初めてアスタリフトを知るきっかけ、起点となります。数多くの化粧品のTVCMの中でいかにターゲットの女性に気づいてもらい魅力的に思ってもらえる表現ができるかを常に考えています」
消費者の心理が何によってどう動くか。「おもしろいけど、本当にむずかしい」と率直に悩みを口にする彼女。解決のための努力は実に地道なものだ。社外の女性を対象としたWEB調査やグループインタビュー調査、社内の女性社員へのヒアリングなど女性の声に耳を傾けることに加えて、競合ブランドのTVCMなどの施策で使われている表現を分析することも欠かせない。発信している言葉やビジュアルが、メッセージとして狙い通りにターゲットに届いているのかを探りながら、伝えたい「ブランドイメージ」の創出を目指す毎日だ。
「私たちが送り届けるものによって消費者の印象は左右されます。富士フイルムの強みである技術に裏づけられた機能性の高さを、いかに表現するか。クリエイターやコピーライターを始め、本当にさまざまな立場の方と意見をすり合わせ、時間をかけて唯一の作品を完成させます」
機能だけではなく、パッケージや使用感、香りなど感覚的な情報も重視される化粧品。商品の魅力をどうやってTVCMで伝えきるか。競合も多い中で商品を手に取ってもらうのはたやすいことではないし、一度ブランドの印象を悪くすれば取り戻すのも大変な業界だ。それも含めて「化粧品業界ならではのおもしろみ」と彼女はほほ笑む。「ワクワクしつつ背筋がピンとなるような、今まで経験のしたことのない緊張感がありますね」と。
最近、アスタリフトの新CMが流れ始めた。「今回のCMでは、富士フイルムならではの技術力を中心に置きつつも、女性にすてきだなと思ってもらえる表現を意識しました。富士フイルムの技術力によって浸透性を最大限高めるというメリットを、『細胞サイズの浸透力』というコピーやそれを使った女性の表情やTVCM全体の世界観でどう伝えていくか、ビジュアルからナレーション、音楽など、全てについて徹底的に検討しました」
化粧品は「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」のもと、広告での過剰な表現は規制される。限られた語彙の中で、消費者に訴えかけるインパクトや期待感を生み出せる表現を探し続けなければならない。
「今回のCMのキャッチコピーも、何十とある候補の中から、考え抜いた上での難産でした」

「アスタリフト」のブランドグラフィック広告 「アスタリフト」のブランドグラフィック広告

大切なものを“変わらず”守るために
「変わる」ことも大切な要素

実は、入社当初はBtoB(企業向け)ビジネスの部署を希望していたという彼女。今では、「BtoC(消費者向け)ビジネスにはまだまだ私の知らない魅力がある」と、今後の仕事に意欲を見せる。
「時代によってニーズはどんどん変わります。その中で富士フイルムの培ってきた技術を残すためには、提供する側も変わりつづけなければならない。特に、化粧品では後発の立場。常に挑戦しつづけなければ勝てない。幸い、富士フイルムは新しいことに挑戦する風土のある会社ですし、社員も意識が高い。刺激を受けながら働ける環境です」
「もっともっと仕事を任せてもらえるように、力をつけたい」としたうえで、最後は次のように締めくくった。
「入社当時、上司に『富士フイルムのファンになってもらう前に、あなたのファンを作りなさい』と言われました。いまでもずっと心にとどめている大切な言葉です。これからもずっと、周囲を引き込んでいくような熱い想いを持って仕事をしていきたいですね」
女性の心は移ろいやすいもの、一度離れたらなかなか戻ってこない――その気持ちを理解できるからこそ、彼女はあらゆる可能性を逃さず、貪欲に魅力的なイメージを追求する。きっとこれからも女性の心をつかんで離さないメッセージを発信しつづけるだろう。

※ 部署名・インタビュー内容等は、
2019年12月時点の取材内容に基づきます。

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