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MOVIE 社会インフラ画像診断サービスの全容がわかる限定映像をご覧ください。

No.08 安全を守る点検技術者を、AIによる業務効率化でサポート!社会インフラ画像診断サービス

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リケジョ リポーターの潜入取材 INNOVATION REPORT 0.1mmのひび割れも、AIがカンタン・正確に自動検知!医療分野から生まれた「社会インフラ画像診断サービス ひびみっけ」は、全国で働く点検技術者の仕事をAIによる業務効率化でサポートしていた!

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PROFILE [ リケジョリポーター紹介 ]

  • 写真:渡辺 悠子

    渡辺 悠子[ YUKO WATANABE ]

    プロフィール

TECHNOLOGY [ 技術紹介 ]

全国の点検技術者のみなさんの安全管理作業を、AIによる業務効率化でサポートする
社会インフラ画像診断サービス“ひびみっけ”についてイノベーションリポーター渡辺が、
富士フイルムの牧野さん、佐藤さん、小野寺さんにお話しを伺いました!

富士フイルム(株)産業機材事業部小野寺さん 富士フイルム(株)産業機材事業部社会インフラシステムグループグループリーダー 佐藤さん 富士フイルム(株)産業機材事業部社会インフラシステムグループ統括マネージャー 牧野さん

[社会インフラ画像診断サービス “ひびみっけ”について]渡辺:まず、社会インフラときくと、私たちの生活に必要なものというイメージがありますが、
“ひびみっけ”は具体的にはどのようなインフラに関わるサービスなのでしょうか?

牧野 : 社会インフラ画像診断サービス“ひびみっけ”は、橋やトンネル等の社会インフラ点検における点検技術者たちの業務効率化を図るサポートサービスになります。 高度成長期の建設ラッシュで建設・整備が進んだ建造物は現在、築後50年近くが経過しています。日本は老朽化による事故を防ぐため、2014年に5年に1回の定期点検が法令で義務化されたのですが、点検作業が可能な技術者の数に対して、点検対象の建造物の数は膨大です。安全を担う点検技術者の人手不足の中、どうすれば業務効率化を図れるかが社会課題となっていました。

渡辺 : 社会課題を解決して、人々の安全や安心に貢献しようという想いが、“ひびみっけ”のスタートだったのですね! “ひびみっけ” は、みなさんが自発的に創り出したサービスなのでしょうか?

牧野 : はい。富士フイルムは「自分たちの持つ技術で、様々な分野の社会課題の解決に貢献しよう」という姿勢が社員に浸透しており、自社での開発に至りました。

渡辺 : なるほど!橋やトンネルの安全点検と聞くと、私も日常の中で利用するので、すごく実感しやすい社会課題です。安全はとても大切なことなので、解決すべき課題ですね!定期点検の作業と聞くと、高所など危険な場所もあって大変そう…というイメージは素人の私でも想像できるのですが、点検にはかなり時間がかかるのでしょうか?

佐藤 : はい。専門的には「近接目視点検」という作業が義務となっています。これは点検技術者が現場に赴き、点検箇所の状態を目視で確認する作業です。例えば、橋の検査の場合、まず交通規制をかけ、橋の上から橋梁点検車を使い、点検技術者が橋の裏を見ます。点検技術者がひびを見つけたら、ひびに沿ってチョークで線をひくチョーキングという作業を行います。これは、プロがきちんと目の前でひびの状態を見た証拠になります。0.1mm単位の幅のひびを目視して、手で線をひくわけですから、まさに“近接”ですね。

渡辺 : 0.1mm!そんな小さなひびを橋とか大きなものから見つけて点検するなんて、習熟された技術と集中力が必要ですよね…

佐藤 : そうですね。点検にはこちらのクラックスケールという指標を使うのですが、一般の方だとひびをみても0.1mmと0.2mmの違いが全くわからないのですが、熟練の点検技術者はひびを見た瞬間に「これは0.1mm幅のひび」と見分けることができます。実際に測定するとその通りで。まさに匠のワザですね。点検の話に戻りますと、チョーキング作業を終えたら、ひびの写真を1枚ずつ撮り、その写真と共にひび全体の状態をスケッチします。次に事務所に戻って、自治体などへの点検報告書を作るのですが、それは撮ってきた写真を貼りあわせて全体像を作り、スケッチと合わせて確認しながら、CADという工業データの図面に1から「ここにひびがあります」という報告書を作る必要があります。

渡辺 : 報告書の提出までが一連の点検業務なのですね。現場の点検作業だけでなく、その後の事務作業もすごく時間がかかりそうですね!

佐藤 : はい。点検技術者しかできない現場の点検時間と同じくらい、報告書作成にかかる時間があるというのは解決すべき問題だと感じました。

牧野 : 働き方改革、というのもまた大きな社会課題の一つですよね。そういった観点からも、点検技術者が働く時間をもっと効率化するお手伝いがしたいという想いもありました。

渡辺 : そこで“ひびみっけ”が、作業効率の問題を解決してくれるわけですね!!

牧野 : はい。人間が現場でスケッチしたり、事務所で写真を貼りあわせたり、それを元にチョークやひびを抽出してデータ化するといった作業をAIが行うことで、全体の作業時間の40%程度を軽減出来るようになりました。

渡辺 : スケッチや事務作業の業務にAIを活用すると、だいたい半分くらいの時間になっちゃうんですか!すごいですね!ところで、橋などの社会インフラと聞いても、“富士フイルム”が連想し辛いのですが、このAIの部分に富士フイルムならではの強みが活かされているのでしょうか?

牧野 : まさにその通りです。実は“ひびみっけ”には、富士フイルムの医療画像解析技術の研究成果が活かされています。富士フイルムは写真フィルムの会社として始まり、その後、医療用のX線フィルムの研究・製造を行ってきた歴史があります。お客様からの要望、技術革新が進む中で、富士フイルムは医療画像のデジタル化と画像解析技術の向上を実現してきました。具体的には、肺のX線画像データから、肺の血管だけを抽出して見れることを可能にしました。

  • 富士フイルムのコア技術について

渡辺 : なるほど!!X線フィルムなどの医療画像の解析技術の応用と聞くと、富士フイルムの技術と知見をもとに開発されたサービスと納得できました!医療画像解析を応用しようと思ったのは、血管と、ひびの形が似ているからですか?

牧野 : 見た目が似ている、ということではなくて、技術的な発想からですね。抽出したい対象と、そうでないものを正確に見分ける。膨大なデータを元に学習して、解析するという仕組みそのものが応用できると判断しました。

渡辺 : 医療も、社会インフラも、どちらも人の命にかかわるものだから、“正確に見分ける”ってすごく大切な要素ですね。医療画像解析の技術を応用するというアイデアをもとに“ひびみっけ”を開発するにあたり、実際に点検をされている技術者のご意見を参考にされたのでしょうか?

牧野 : 点検技術者のご意見を本当に大切にして“ひびみっけ”を開発しました。佐藤をはじめとした開発の人間たちが実際に、ゼネコン、点検会社、建設コンサルタントなど約30社様の現場を1つずつ、こういう作業着で行かせていただき、点検のフローと作業内容、かかる時間などを熟知することからスタートしました。

佐藤 : 普段は聞き慣れない建設の専門用語の勉強をしながら、実際に現場で作業される点検技術者の方とお話しをさせて頂くと、我々が想像し得なかった大変なことがたくさんありました。現場での点検作業も、交通規制で利用者に迷惑がかかるから早く終わらせる必要があったり、点検報告書を作成するのに事務所で徹夜が続いたりと、とにかく点検技術者は忙しい。私たちの技術で、なんとかお手伝いしたいという想いが、現場を知ることでどんどん強くなっていきました。

渡辺 : “ひびみっけ“は、そういった“現場第一主義”の観点とご担当者の熱い想いで完成したのですね!

小野寺 : はい。現場の点検技術者の仕事をサポートし、負担を軽減するのが目的ですので、導入し易く、だれでも使い易く、実際に点検技術者が必要とする機能を備えたサービスに設計されています。

渡辺 : 私のような素人でもカンタンに使えるものなのでしょうか?

小野寺 : もちろんです!今から一緒に、実際に操作を体験してみてください。

渡辺 : お願いします!

VISION [ 将来展望・導入事例 ]

「ひびみっけ」の使い方と、将来展望について

小野寺 : まず、定期点検現場ではチョーキング作業を行った後、ひびの状況の写真をとっていただきます。あとでAIが自動で抽出するので、これまでの点検作業で行っていた、ひび全体の形状をスケッチングする作業が不要になります。

渡辺 : 現場での作業量が減るのはいいですね!これまでのように、スケッチして、あとでトレースしてって、そこで誤差が生まれる可能性もあるから、工程がシンプルになるってすごくメリットだと思います!ちなみに写真撮影って、これまでの点検作業でも必要だったと思うのですが、これは今まで通りのカメラで撮ればいいのでしょうか?

小野寺 : はい。これまで使用していただいている機材での撮影でご利用いただけます。たとえば点検業務の会社様の場合、過酷な現場に対応するタフネス性能のあるコンパクトデジカメで撮影した画像からチョークの全体図を自動で起こせます。補修業務の会社様の場合、一眼レフカメラと三脚などを使用されるケースがあり、そちらでも撮影した画像から細かなひびのサイズなどの数量まで解析ができます。

渡辺 : 新しく機材を用意しなくていいのは、お客様にとってサービス導入のハードルが低くていいですね!

小野寺 : お客様にとっての導入のし易さは、特に重視して開発しました。“ひびみっけ”はクラウドサービスのため、高価な専門ソフトや専用機械などを買う必要がありません。お持ちのパソコンでインターネットにつなぐことができれば、進化しつづけるAIを利用することができますし、ひびやチョークの抽出結果をプレビュー画面でご確認いただいてから、画像1枚数百円の単価でご購入いただける流れになっています。

渡辺 : 導入コストが低く、ひびやチョークの抽出結果を確認してから買えるのはいいですね!こちらのノートパソコンで実際に使えるのでしょうか?

小野寺 : はい!カンタンなので操作してみてください。 まず“ひびみっけ”を起動して、ログインします。そして事前に撮影した写真の入ったフォルダを選ぶと、富士フイルムのクラウドにアップロードされます。あとはAIが自動で写真を貼りあわせて、ひびやチョークを抽出した画像を表示します。

渡辺 : めちゃめちゃカンタンですね!写真アルバムのインターネットサービスを使っているような感覚です!

小野寺: そうですね、“ひびみっけ”を使うための専門的な勉強などが不要で、だれでもすぐに使えるのはこのサービスの強みの一つですね。 こちらに表示された解析結果にご納得いただきましたら、注文ボタンを押していただき、ここで初めて課金となります。また、0.1mm単位で任意のひびだけを表示したり、チョーク、ひびそれぞれの追加削除などの編集を行ったり、ひびの長さや幅を計算させたりといった作業を行えます。結果はお客様が望まれる形式でダウンロードが可能で、現在、JPG、DXF、CSVの3種類をすべて保存できるようになっています。

渡辺: ダウンロードした各種のデータを使って、報告書とか、修繕見積もりとかがカンタンにできるわけですね!

0.1mm単位で任意のひびだけを表示 ひびそれぞれの追加削除などの編集 ひびの長さや幅を計算

牧野 : 導入や操作がカンタンであることも強みですが、ひびやチョークを検出するサービスとして、一番の強みはやはり“検出精度”です。医療分野で培ってきた技術と知見を応用している富士フイルムは精度に絶対の自信があります。また、AIは学習することでどんどん進化していくので、多くの人がこのサービスを使うことで、検出の精度は今後もレベルアップします。我々が“ひびみっけ”を進化し続けることで、これからも当社はお客様の課題解決に貢献していくことができると考えています。

渡辺 : 皆さんがサービスを利用することで、検出の精度が向上するのは素晴らしいですね!AI学習で進化しつづける“ひびみっけ”ですが、今後の展望はどのようにお考えでしょうか?

小野寺 : 現在は国内を対象にサービス展開していますが、“安全”という社会課題は世界共通です。コンクリートの建造物の老朽化検査というニーズは、欧米をはじめとした海外にもあると思いますので、世界中にこのサービスを展開してそこで暮らす人々の安全に貢献できたらと考えています。

佐藤 : 喫緊の社会インフラ課題として橋梁、トンネルの検査からサービスを開始しましたが、道路の検査もとても重要な点検対象です。ほかにもマンションなどの住居では大規模修繕工事が13年に一回あります。非破壊の効率的な検査方法として、コンクリート全体の安全を守るという視点で、範囲をどんどん拡大していきたいと考えています。また、現場で点検をする技術者の安全を守るために、ドローンをはじめとしたロボットでの撮影方法も増えていくと言われている中、様々なデバイスによる画像でも、正確に解析するという技術目標をもっています。

牧野 : 我々の技術はあくまで点検技術者のサポート役です。最終的な判断は、熟練の技術をもった人間が行う。そういったプロフェッショルの方々が判断しやすい情報を提供するという意味で、建造物でいうと経年劣化の情報はもちろん、新しく作った建造物を納品する際に、仕様通りに建造されたかのチェックや、データを元にした未来の危険性の予測、最適な補修方法や部材の提案まで幅広く展開していくことで、富士フイルムの提供価値を予防・診断・治療のような形に進化させていきたいと思っています。もちろん、それはカンタンなことではありません。ですが、様々な分野の方と共創し、社会課題を解決したいという想いの元に技術を結集すれば、それはできると信じていますし、やらなきゃいけないと思っています。

渡辺 : “ひびみっけ”の今後、私も楽しみです!あと個人的にですが、“ひびみっけ”って名前、覚えやすいし何をしてくれるのかわかりやすくてステキだなと!これはAIじゃなくて、人間が考えたのですよね?笑

牧野 : はい。名前もセールスポイントの一つです、ありがとうございます。笑

渡辺 : 本日はありがとうございました!

インタビューを終えて

渡辺 悠子

医療分野で培った富士フイルムの技術と知見を、社会インフラという全く異なるフィールドで応用し、人々の安全な暮らしに貢献していることがわかりました。 また、“ひびみっけ”を実際に操作してみて、たくさんの人に使ってもらうためにわかり易く、便利になるように開発・設計されていることは、「人を思いやる人」がつくりだしたものだからだなと感じました。
社会課題を解決するために、自分たちの技術で全力を尽くす。
これからも様々な場において富士フイルムの活躍が見られそうでワクワクします!

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リケジョリポーター 渡辺 悠子[YUKO WATANABE] Age24 理系専門分野:ロボット工学

趣味はアニメ、マンガ、映画、DVD鑑賞、聖地めぐり、カラオケで、スポーツはバレー、テニス、バスケ、長距離走を経験してきました!かなり広く浅く、スポーツ系も文化系もかじっています。「理系・工学系で学んできたことが、リポーターとして活かせることになってとても嬉しいです!精一杯がんばります」

写真:渡辺 悠子[YUKO WATANABE]

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