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MOVIE 高感度検査技術の全容がわかる限定映像をご覧ください。

No.07 インフルエンザウイルスやマイコプラズマ菌も正確に検知! 高感度検査技術

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リケジョ リポーターの潜入取材 INNOVATION REPORT インフルエンザウイルスやマイコプラズマ菌も正確に検知!写真現像から生まれた「高感度検査」の技術は、感染症と戦うカンタン&スピーディーな頼れる武器だった!

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  • TECHNOLOGY [技術紹介]
  • VISION [将来展望・導入事例]

PROFILE [リケジョリポーター紹介]

  • 中山 美織[MIORI NAKAYAMA] 理系専門分野:錯体化学

    プロフィール

TECHNOLOGY [ 技術紹介 ]

マイコプラズマやインフルエンザを発症初期でも簡単に診断できる
高感度検査の技術について、イノベーションリポーター中山が
ご担当の片田さん、大籔さんにお話しを伺いました!

写真:R&D統括本部 高機能材料研究所 大籔さん、メディカルシステム事業部 統括マネージャー 阿部さんとリポーター中山

[高感度検査技術について]中山:感染症と戦っていくうえで、早期の的確な診断はとても重要だと聞いています!
今回は、インフルエンザウイルスやマイコプラズマ菌を正確に検知できる高感度検査技術について
お話を伺いたいです。“感染症”と聞くと怖いイメージがあり、自分たちにとって少し遠い存在のようにも
感じてしまうのですが、身近なものなのでしょうか?

片田 : 感染症の例として、いわゆる“風邪”の症状があります。実際に症状がでて病院に行っても医師に「風邪ですね」と言われることがあリますが、実は「風邪」とひとくくりにいっても、原因であるウイルスや細菌は様々であり、感染経路も異なります。
原因と対処が分からないと、家族にもうつしてしまう可能性があるため、感染症はだれでもかかり得る身近なものといえると思います。

中山 : なるほど!たしかに、“風邪”といっても、なんらかの原因がある感染症なんですね!そういった感染症の原因を早期に診断するのは、難しいことだったのでしょうか?

大籔 : そうですね。感染初期ですと、原因となっているウイルスや菌の数が少なく、検出し難いという問題がありました。

中山 : 何か感染症にかかって、早めに病院にいってもすぐに原因を特定してもらえないことがあるのですか?

片田 : はい。例えばお子様が熱を出して、早めに病院に連れて行っても、症状の出始めだと、まだ体内のウイルスや菌の数が少ない場合があります。これまでの多くの検査では、体内のウイルスや菌の数がある一定以上まで増えないと検知することができないので、せっかく早期に病院へ行っても、医師に「明日もう1回診断しに来てください」と帰されてしまうケースがあります。

中山 : それって、もっと体内のウイルスや菌数が増えて、症状がひどくなるのを待ってからまた病院に行かないといけないってことですよね…。
自分が感染症になってもつらいけど、小さい子供がすぐに治療してもらえないのは、親としてはものすごくつらそうですね…。

大籔 : 原因がわからないまま、子供が苦しんでいるというのは、親としては精神的にすごい負担になります。また、もし早期に原因がはっきり分かれば、感染症にかかった本人だけではなく、家族の二次感染リスクや家族の精神的な負担も軽くなると思います。

中山 : 本当にそうですよね!私も子供の頃にマイコプラズマ肺炎になったことがあるんですけど、病院にいったら最初は風邪って言われました。でもずっと咳や発熱の症状が続いて、後日病院に行ってやっとマイコプラズマ肺炎と診断されました。そのときはもう治りかけだったのですが、結局それまでずっと自宅で風邪だと思って苦しんでました。(苦笑)
早期に原因を特定できるのって、本当に大切なことですね。

片田 : そうですね。なにが原因で症状がでているかが分かれば、感染を広げる危険性を減らしたり、正しい薬を処方してもらえて、早期に回復できる可能性が高まります。

中山 : 原因が分からず、なんとなく風邪かな?と思うと、とりあえず効きそうな市販薬を自分で選んで試したりしますが、ウイルスや菌などの原因がはっきり特定できれば、それに効く適切な薬を使えますね!

大籔 : いま中山さんがおっしゃったように、原因が分からずいろんな薬を試してしまうのは、実は医学的に大きなリスクの1つなんです。「薬剤耐性菌」というのがあります。カンタンにいうと、抗菌薬の不適切な使用により、ウイルスや菌が突然変異して薬への耐性を持ち、既存の抗菌薬が効かない「薬剤耐性を持った菌」が生み出されるリスクです。近年、「薬剤耐性菌」の感染拡大は深刻で、「薬剤耐性菌」による世界の死者数は年間70万人に上ると言われています。そのため、早期に原因のウイルスや菌を特定し、正しい処方薬を使うことは、「薬剤耐性菌」を作り出すリスクも下げることができるのです。

中山 : お話を聞けば聞くほど、早期に感染症の原因を診断することが本当に大切だなと感じます!今回、富士フイルムの高感度検査技術が、これまで難しかった感染初期の少ないウイルスや菌の検知を可能にしたということなのですが、これはどういう技術になるのでしょうか?

片田 : まず、一般的な検査の方法として、ウイルスや菌に特有の抗原に目印をつけて、それを目で判別するという検査方法(イムノクロマト法)があります。例えば、妊娠検査キットの場合、陽性では判定部に色がつくことで結果がわかります。実は、この検査方法はウイルスや菌の数によっては、しっかり色が見えない場合もあります。
ウイルスや菌の量が少ないと全く色がつかないし、実はうっすら色がついていても、目視では見逃してしまうこともありました。そこで富士フイルムは、写真フィルム現像で培った銀増幅技術で抗原についた目印そのものを大きく見易くすることで、感染初期のウイルスや菌の量が少ない状態でも高感度で検知できるようにしました。 この銀増幅技術は、写真の現像技術の知見を応用したものですが、これによりこれまで見ることの難しかった小さい目印(金の微粒子)のまわりに銀をつけることで、目印を100~200倍に大きくすることができるんです。

専用のカートリッジの中で、少ない数の菌やウイルスなどの抗原でもしっかり捕まえて小さな目印をつけます。富士フイルムの銀増幅法で、その目印を100倍の大きさにすることで見つけやすくなります。

中山 : なるほど!ウイルスや菌の数が少ないと目印も少なくてこれまでは見えなかったけど、それを大きくすることで高感度に検知できるようになったわけですね!すごい! 写真の現像技術を応用というのも、富士フイルムならではですね!

片田 : 富士フイルムならでは、という意味では、デジタルカメラなどで培った画像解析の技術も活かされています。目視での確認は個人差もありますし、多忙な医師たちにとっては確認作業自体も手間であったりします。富士フイルムの高感度検査技術では、検査結果の判別も機械が行うので、手間がかからずウイルスや菌を見逃すリスクも下げることができます。
特に、感染初期では見つかり難いマイコプラズマ菌は、数が増えにくいだけでなく、菌が肺の奥にいるため喉や鼻など簡単に採取できる場所ではさらに菌の量が少なくなってしまいます。一方で、この高感度検査技術の実用化により、非常に簡単にきちんと高感度に検知することができるようになりました。

中山 : それは本当に素晴らしいことですね!
でも高感度検査技術と聞くと、すごすぎて敷居が高そうに感じるのですが、例えば私が患者になったときでも、簡単にうけられるものなのでしょうか?

大籔 : もちろんです!患者さま、お医者さま、両方の負担を減らして、だれでもカンタンに使うことができます。実際に使われている検査キットを用意したので、感染初期では見つかり難いマイコプラズマの検査方法をご説明しますね。

中山 : お願いします!

VISION [ 将来展望・導入事例 ]

『高感度検査技術』の導入事例と、
将来展望について

片田 : 現在、主に小児科を中心に全国の医療施設で使用されている高感度検査技術を用いた検査方法をご説明いたします。

中山 : 検査は、どのようなやり方になるのでしょうか?

片田 : マイコプラズマウイルスの検査概要に沿いますと、まず患者様の喉から綿棒を使って、検体をとります。その綿棒を抽出液に入れてすすいだら、あとはその液を専用のカートリッジに垂らしてから検査機器に入れるだけです。結果は15分くらいでその場で出ますので、もしマイコプラズマ菌と判明すれば、適切な処置をすぐに開始できるわけです。

中山 : すごくカンタンですね!!症状がひどくなってからまた通院しなくても、その場でわかるなんて、患者側としては本当にありがたいです。

片田 : そうですね、検査にかかる患者様の負担は大きく軽減されたと思います。
マイコプラズマの検査ですと、例えば症状の進行に合わせて日時を変えて、二回採血する方法などがありました。マイコプラズマはお子様がかかりやすい感染症なので、やはり二回も採血したり、診断結果が分かるまでお子様が苦しむ時間が続くというのは大変な負担になると思います。

中山 : たしかに!それにこのキットなら、お医者さん側もすごく手間が減りますよね?

片田 : はい。非常に簡単なステップで検査が進んで、機械が自動で画像解析して結果をプリントアウトしてくれます。何枚でもプリントアウトできるので、患者さんに渡したり、結果をカルテにつけて保存することもできます。多忙な医師や看護師の検査にかかる余計な手間を減らすことは、医療品質の向上にもつながると思います。

高感度検査技術の導入施設はこちら [インフルラボ]

中山 : まさに、患者にも医師にもうれしい技術ですね!
ちなみにこの検査方法は、早い時期に発見できるだけじゃなく、正確さも優れているのでしょうか?

片田 : もちろんです。ウイルスや菌の遺伝子を増幅して検知する検査方法があるのですが、これは非常に精度が高い反面、専門的な設備と長い検査時間が必要でした。
高感度検査技術はこの方法での検査結果と比較しても充分な精度を実現しています。
先ほど、ウイルスや菌の目印を銀増幅法で大きくしていると説明しましたが、実はこの小さなカートリッジの内部で余計なものを洗浄し、目的の目印だけをしっかり見やすくする工程も自動で行われるようにできています。偽陽性、つまり間違った結果を出さないような仕組みを確立するのに、多くの研究時間を費やしました。

中山 : うわぁ、カンペキですね!
この高感度検査技術はいろんな感染源の検査にも使えるんですか?

片田 : はい。現在、インフルエンザウイルス、マイコプラズマ菌、RSウイルス、溶連菌、アデノウイルスの5種類の感染源の特定に対応しています。
また、先ほど小児科を中心に導入されていると申しましたが、このキットによって感染症が非常に簡単に検査できるようになったことで、眼科にも広がってきています。
実はアデノウイルスが目に感染することがあるのですが、原因が分からないため、感染が広がってしまうケースが問題となっていました。
これまでの検査ですと、綿棒でまぶたの裏のところを強くこすってなるべく多くの検体を採取しなければならず、検査を受ける方の負担が大きかったんです。でも、高感度検査技術の検査方法なら、例えば涙の中に出てくる少量のウイルスでも検知できるため、ろ紙のようなもので、ちょっと涙を吸い取るだけでいいんです。

中山 : それは楽でいいですね!綿棒でまぶたの裏をゴシゴシされるのは、とてもつらそうですよね…。同じ技術で汎用性があり、まだまだ活躍の場がいくらでもありそうですね!

大籔 : そうですね。感染症との戦いという意味では、この技術が役に立てる場所は世界中にあると思います。実は今、富士フイルムは専門機関と、この技術で結核やエボラの診断に応用できないか、海外の研究機関と共同で研究を進めています。世界に目を向けてみると、例えば新興国では感染症によって亡くなってしまう方の数が、先進国に比べて非常に多いんですね。このキットなら、イラストをみるだけでも操作方法がわかりますし、検査結果も「+」とはっきり紙に出てくるので、言語の壁を超え、専門的な医療技術が足りない場所でも簡単に検査を行えて、感染症による死亡者数を減らすことができる可能性があるわけです。

高感度検査技術の全容がわかる限定映像はこちら。

中山 : 高度な技術を、だれでも簡単に使うことができるって、すごく大切なことですよね!

片田 : はい。どんなにすごい技術を作ったとしても、世の中で使ってもらえなければ意味がない。
使われるためには、もちろん技術として感度を高めることも重要ですが、コストも安く、だれでも使いやすくしていかないといけない。そういう部分を常に大事にして研究を進めていますね。

中山 : 高感度検査技術は、これからもどんどん広がっていくんですね!

大籔 : 小児科、眼科、そして世界の新興国で広がる感染症への応用について話をしましたが、たとえば人間以外、畜産・海産系にも応用できる技術なので、国の助成金を受けて口蹄疫などの動物の感染症についても研究を進めています。
早期に感染症の原因を特定し、死亡率を下げたり、同時に感染拡大を防ぐことは、グローバルレベルで人々の健康課題を解決するという観点でもすごく有用な技術だと思っているので、ぜひ普及させたいと思っています。
また私自身、母親として、小さな子供の健康を守ったり、きちんと原因を知りたいという親の気持ちに応えたいという思いがあります。また一研究者としても、世界の健康課題に貢献出来ることにやりがいを感じると共に、様々な研究者の方々との協働を通して、新たな発見もあるすごく面白い仕事だと思っています。

中山 : すごい!元は写真フィルム現像の技術が、こうして世界の人々の健康維持につながっていくなんて、聞いているだけでもワクワクしてしまいます!高感度検査技術は、進化しつづけていくんですね!

片田 : はい。もともとは写真フィルム現像の銀増幅技術を応用したこの検査システムは、高感度というのが一番の強みです。
そのおかげで今まで診断が難しかったマイコプラズマ菌も検出が出来るようになりました。
それにより、早く正しい薬を投薬することができるため、早く体調が回復できたり、感染拡大を防ぐことができるようになりました。

また、例えばお母さんが自分の子供がどんな病気か分かったら安心するとかそういった精神面でのメリットももたらしてくれる、とても有用な技術だと思っています。

インフルエンザやマイコプラズマのような身近な感染症、また世界で広がる感染症、更に未知の感染症に対して、高感度検査技術で世の中の役に立ちたいと思ってます。また、僕ら自身がお父さんやお母さんとして、自分の子供たちのためにこの技術で助けてあげたいという想いを原動力に、いろんなものに使えるようにこの技術を拡張していきたいです。同時に、使いやすさという視点で、検査というものをもっと生活に密接なものとしてどんどん広げていけたらなと思っています。
どんなにすごい研究も、みんなに使われて、みんなの役に立つということが、研究者として重要なことだと思ってます。今後も、新しい成果をだせるように、高感度検査技術をどんどん進化させていきたいと思っています。

中山 : 本日はありがとうございました!

インタビューを終えて

中山 美織

実際にTV CMでも見たことのある高感度検査技術を間近で体験できてとても興奮しました!検査方法が本当に簡単で、必要な機器も小さく、患者さんにもお医者さんにも嬉しい技術が増えたなと感じました。
また、世界の健康課題に貢献するという大きな目的にむけて進化を続けていくというプロの姿はとても輝いて見えました。
これからもっと様々なシーンでこの技術が使われているのを見ていくのがとっても楽しみです!

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CLOSECOLSE

中山 美織[MIORI NAKAYAMA] Age23 理系専門分野:錯体化学

趣味はアニメ、映画鑑賞と一人旅。4歳から新体操、中高では器械体操、大学ではクラシックバレエを経験。(肩関節はずせます!)生まれてから一度も髪を染めたことがありません!「家族全員が理系で、昔から理系科目が得意でした。富士フイルムの様々な技術を学びながら、しっかりリポートしていきます!」

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